薬剤師の転職面接は、聞かれることがほぼ決まっています。にもかかわらず落ちるのは、準備していないからではなく答え方の型を知らないからです。
この記事では、よく聞かれる10の質問と答え方、そして逆質問で聞くべき5つをまとめます。
答え方の型はひとつだけ
結論 → 具体的なエピソード → だから御社で何ができるか
この3つの順で話せば、たいていの質問は通ります。逆に、エピソードから話し始めると長くなり、何を言いたいのか伝わりません。
時間の目安は1問30秒〜1分。それ以上は聞き手が集中を切らします。
よく聞かれる10の質問
① 転職理由を教えてください
いちばん重要な質問です。ここで前職の悪口を言うと、その時点で評価が下がります。
| NG | OK |
|---|---|
| 「人間関係が悪くて」「残業が多くて」 | 「在宅に関わりたいと考えるようになりました。現職では対応していないため、在宅に取り組んでいる薬局で経験を積みたいと考えています」 |
「逃げ」ではなく「向かう先」に言い換えてください。事実として残業が理由でも、「腰を据えて患者さんと関わりたい」という形にできます。
② 志望動機を教えてください
その薬局でなければならない理由を1つ入れてください。
- 在宅の件数、応需している科目、地域連携薬局の認定、店舗数
- 調べればわかることを、調べてきたと伝わるのが大事です
「アットホームな雰囲気に惹かれて」だけでは、どこにでも言えます。
③ これまでの経験を教えてください
数字を1つ入れてください。「1日の処方箋枚数◯枚」「在宅◯件」「薬剤師◯名の店舗で」——規模感が伝わると、受け入れ側が配置を想像できます。
④ 得意な科目・苦手な科目は
苦手を「ありません」と答えないでください。正直に言ったうえで、どう埋めているかを添えます。
「小児は経験が少ないので、体重換算の確認手順を自分で作って対応しています」——こう答えられると、むしろ評価が上がります。
⑤ 調剤過誤の経験はありますか
「ありません」は避けてください。ヒヤリハットを含めれば、経験のない薬剤師はほとんどいません。
聞かれているのは失敗の有無ではなく、その後どうしたかです。報告した、原因を分析した、手順を変えた——ここまで話してください。
⑥ 残業や休日出勤は可能ですか
できないことは、ここで言ってください。入ってから言うほうがトラブルになります。
「保育園のお迎えがあるので18時までを希望します。そのぶん、始業前の準備は引き受けます」——条件と、代わりに出せるものをセットにすると通りやすくなります。
⑦ 何年くらい働く予定ですか
短期での離職を警戒されています。期間を約束するのではなく、続けられる条件を伝えてください。
「長く働きたいと考えています。そのために、在宅に関わり続けられる環境かどうかを重視しています」
⑧ 管理薬剤師をやる意思はありますか
意思がなくても、否定だけで終わらせないでください。「今すぐは考えていませんが、経験を積んだうえで求められれば挑戦したいです」で十分です。
⑨ 前職の給与はいくらでしたか
正確に答えてください。ここで盛ると、源泉徴収票で必ず分かります。
希望額を聞かれたら、「現職と同等以上を希望しますが、業務内容を踏まえてご相談させてください」が無難です。
⑩ 何か質問はありますか
「特にありません」は絶対に避けてください。興味がないと受け取られます。次の章の5つから選んでください。
逆質問で聞くべき5つ
- 1日の処方箋枚数と、勤務している薬剤師の人数 … 忙しさの実態が分かります
- 在宅は何件くらいで、誰が担当していますか … 「やっています」の中身が分かります
- 電子処方箋や機器の運用は、誰が回していますか … 仕組みが個人に乗っていないか
- 入職後の教育・引き継ぎはどう進みますか … 放り込まれる職場かどうか
- この店舗で、直近に入った方はどのくらい在籍していますか … 定着率がやんわり分かります
5番は角が立たない聞き方で、いちばん情報が取れます。言い淀まれたら、それが答えです。
聞いてはいけないわけではないが、順番に注意
- 給与・賞与の詳細
- 有給の取りやすさ
- 残業時間
これらは聞いてよい内容です。ただし、逆質問の1問目に持ってこないでください。条件面から入ると、仕事への関心が薄いと受け取られます。2問目以降か、転職サイトの担当者経由で確認するほうがスムーズです。
当日の実務
- 薬剤師免許の原本を求められることがあります。事前に確認を
- 10分前到着。早すぎる到着は先方の準備を崩します
- 服装はスーツが無難。「私服で」と言われても、きれいめに
- 店舗見学をお願いできるか聞く … 実際の混み方が見られます
最後をおすすめします。面接室では分からないことが、待合の様子で分かります。
よくある質問
Q. ブランクがあります。どう説明すればいいですか
期間と理由を簡潔に述べ、復帰に向けて何をしたかを添えてください。「研修に参加した」「薬事日報を読み続けていた」でも構いません。空白をごまかすほうが印象が悪くなります。
Q. 短期離職が続いています
隠さず、「その経験から、次は◯◯を重視して選んでいます」と、選び方が変わったことを伝えてください。
Q. 面接で聞いた話と、入ってからの実態が違いました
よくあります。だからこそ逆質問で具体的な数字を聞くことが効きます。「在宅をやっています」ではなく「月何件ですか」です。
Q. 自分で応募するのと、転職サイト経由はどちらがいいですか
条件交渉と、店舗ごとの内情の確認が必要なら、担当者を挟むほうが早いです。給与や勤務時間を自分で切り出すのは、面接の場では負担が大きくなります。
まとめ
- 答え方は結論 → エピソード → だから御社で。1問30秒〜1分
- 転職理由は「逃げ」ではなく「向かう先」に言い換える
- 調剤過誤は「ありません」と言わず、その後どうしたかを話す
- できない条件は面接で言う。入ってから言わない
- 逆質問は枚数と人数・在宅の件数・運用を誰が回すか・教育・定着
- 条件面の質問は1問目に持ってこない
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面接でいちばん聞きにくいのが給与・残業・定着率です。自分で切り出すと角が立ちますが、転職サイトの担当者経由なら事前に確認してもらえます。しかも、薬局ごとの実態(在宅の件数、電子処方箋の運用を誰が回しているか、直近で辞めた人がいるか)を持っている担当者は、求人票に出ない部分まで教えてくれます。面接で聞く質問と、担当者に確認してもらう質問を分けると、当日がかなり楽になります。
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