「そろそろ管理薬剤師をやってみないか」と言われたとき、多くの人が最初に思うのは 「手当はいくらで、何が増えるのか」 だと思います。 管理薬剤師は、薬剤師のキャリアで最初に来る分岐点です。ただし 薬局によって中身がまったく違う 役割でもあります。同じ肩書きでも、実質的に店舗の責任者に近い薬局もあれば、名前だけのところもあります。 この記事では、 要件 と 実際に増える仕事 、そして 引き受ける前に確認すべきこと を整理します。 要件:資格そのものは「薬剤師であること」 管理薬剤師になるために特別な資格は要りません。 薬局の管理者は薬剤師であること が薬機法上の要件です。 ただし実務上の前提として、次の3つがあります。 その薬局に常勤していること … 週に数日だけ、という形は想定されていません 原則として他の場所での薬事に関する業務を兼務しないこと … 兼務には都道府県知事の許可が必要とされています 薬局の業務全体を把握できる経験があること … 法令上の年数要件ではありませんが、実質的な前提です つまり 「資格のハードルは低いが、拘束は強い」 のが管理薬剤師です。ここを理解しないまま引き受けると、副業や他店応援の自由度が下がって驚くことになります。 ※兼務の可否や手続きは都道府県で運用が異なります。 必ず所管の薬務担当に確認してください。 実際に増える仕事 調剤そのものは変わりません。増えるのは 調剤以外 です。 領域 内容 医薬品の管理 在庫、期限、温度管理、麻薬・向精神薬の管理と記録 従業員の監督 薬剤師・事務スタッフの業務が適正に行われているかの管理 構造設備の管理 薬局の設備が基準を満たしているかの維持 記録・手順書 業務手順書の整備と、それに沿った運用の確認 行政対応 立入検査、届出、変更手続き 意見の申述 必要なときに開設者へ意見を述べる(法令上の義務) 最後の 「開設者へ意見を述べる」 は、軽く見られがちですが重要です。人員が足りない、設備が基準を満たさない、といった状況で 会社に対して意見を述べる立場 にあるのが管理薬剤師です。ここが機能していない薬局では、問題が起きたときに管理薬剤師が矢面に立つことになります。 手当の相場 手当は 月1万円〜5万円程度 に分布していることが多く、薬局の規模...