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薬剤師の在宅訪問(居宅療養管理指導)とは?仕事の流れ・報酬・始め方を現場目線で解説

※本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。

初めて患者さんのご自宅に上がった日、私は玄関で固まりました。

薬局のカウンター越しなら話せるのに、居間に通されると何から話せばいいのか分からない。

「在宅をやってみないか」と言われて手を挙げたものの、最初の1軒は本当に不安でした。

同じところで止まっている薬剤師の方は、けっこう多いのではないでしょうか。

制度の説明はあちこちにあります。でも知りたいのは、行って実際に何を見ればいいのかのほうですよね。

この記事では制度の骨格をひととおり整理したうえで、私が最初につまずいたところを書きます。

薬剤師の在宅訪問とは

通院が難しくなった患者さんのご自宅や施設へ薬剤師が訪問し、薬をお届けしたうえで服薬状況の確認・管理、飲み合わせのチェック、服薬指導、医師への情報提供までを行うサービスです。

呼び名が2つあります。

保険名称対象
介護保険居宅療養管理指導要介護認定を受けている方(介護保険が優先
医療保険在宅患者訪問薬剤管理指導要介護認定を受けていない方

どちらが適用されるかは、患者さんの要介護認定の有無で決まります。

1回の訪問で何をするのか

おおむねこの流れです。

  1. 事前準備…処方箋の確認、前回訪問の記録の見直し、調剤・一包化などの準備
  2. 訪問・お薬のお届け
  3. 残薬確認…ここが在宅訪問の核心です
  4. 服薬状況・体調の聞き取り…飲めているか、副作用はないか、生活の中で飲みにくい要因はないか
  5. 環境の工夫…一包化、日付印字、お薬カレンダーの設置など、その方に合った形へ整える
  6. 記録と報告…訪問記録を作成し、医師・ケアマネジャーへ情報提供する

報酬(単位数・点数)は改定のたびに見直されます。算定にあたっては必ず最新の告示・通知をご確認ください。

在宅は「薬を届けること」ではありません

最初に誤解していたのが、ここでした。

配達だと思っていると、行っても何をすればいいのか分からなくなります。

在宅でやっているのは、その人の生活の中で薬がどう扱われているかを見ることです。

窓口では「飲めています」と答えていた方が、実際に伺うと薬が山積みになっている。

処方は適切なのに、包装が開けられずに飲めていない。冷蔵庫に入れるべき薬が常温で置かれている。

こうした事実は、生活の場に行かなければ絶対に分かりません。

そして気づいたことを医師へ返すと、処方が変わります。減薬につながることも、剤形が変わることもある。

薬剤師の関わりが目に見えて結果になる場面が、在宅にはあります。

最初の1軒で見るべき3つ

あれこれ見ようとすると混乱します。私は3つに絞りました。

見るところ見えてくること
残薬の量と場所飲めていない薬がどれか
薬の保管場所本人が自分で取れるか
誰が管理しているか提案を誰に向けて出すか

特にが大事です。

ご本人に丁寧に説明しても、実際に管理しているのが娘さんなら、その説明は届きません。

私はこれで一度、まったく的外れな提案をしてしまいました。

残薬を見つけたとき、責めない

押し入れから未開封の薬がごっそり出てくることがあります。

最初のころ、私は思わず「飲まれていないんですね」と言ってしまいました。

その後、患者さんは残薬を見せてくれなくなりました。

これは本当に反省しています。

いまは、まず理由を聞くようにしています。

「飲みにくかったですか」
「一度にたくさんで、大変だったのではないですか」

責めない聞き方をすると、本当の理由が出てきます。粉が苦手、朝は起きられない、効いている気がしない。

そこまで聞けて初めて、医師に出す提案の中身が決まります。

医師への報告は、短く3行に

私は最初、詳しく書きすぎて読んでもらえませんでした。

いま意識しているのは次の3点です。

  • 結論を最初の1行に(例:朝の薬が飲めていません)
  • 理由を1行(例:起床が10時で、朝食が取れていないため)
  • 提案を1行(例:昼への変更をご検討いただけますでしょうか)

短いほうが、返事が早く返ってきます。これは薬局での疑義照会と同じでした。

ケアマネジャーとつながると、一気に楽になります

在宅を始めて一番大きかったのは、実はここでした。

ケアマネジャー(介護の計画を立てる人)は、その人の生活全体を知っています。

「最近ヘルパーさんが入る回数が減った」
「ご家族が仕事に復帰された」

こうした情報は、薬の飲み方に直結します。

連絡先を交換して、気づいたことを一言送るだけの関係を作っておく。それだけでずいぶん動きやすくなりました。

やってよかったこと/やらなくてよかったこと

やってよかったこと

  • 最初の数軒は、先輩に同行してもらった
  • 訪問前に、前回の記録を必ず読み直した
  • 玄関で靴をそろえる、上着を脱ぐなど、生活の場に入る所作を意識した

やらなくてよかったこと

  • 初回から全部を把握しようとしたこと(次があります)
  • 一包化をこちらから急いで提案したこと(ご本人の希望が先です)
  • 制度の説明を長くしたこと(患者さんは聞いていません)

よくある質問

Q. 在宅の経験がなくても転職できますか?
できます。むしろ「これから在宅を強化したい」薬局が採用しているケースが多い印象です。ただし先輩に同行できる期間があるかは確認しておいたほうがいいと思います。

Q. 一人で行くのが不安です。
私も最初はそうでした。何軒か同行させてもらえるだけで、ずいぶん違います。「同行は何軒までできますか」と面接で聞いてみてください。答え方に体制が出ます。

Q. 車の運転が苦手なのですが。
地域によっては自転車や徒歩の範囲で回っている薬局もあります。ここは求人票では分からないので、確認が必要な部分です。

まとめ

  • 介護保険なら居宅療養管理指導、医療保険なら在宅患者訪問薬剤管理指導介護保険が優先
  • 在宅は配達ではなく、生活の中で薬がどう扱われているかを見る仕事
  • 最初の1軒は残薬・保管場所・管理者の3つに絞る
  • 残薬を責めない。理由を聞くと本当の話が出てくる
  • 医師への報告は結論・理由・提案の3行
  • ケアマネジャーとつながると、動きやすさが変わる

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在宅をやるかどうかは、正直なところ薬局の体制次第だと感じています。同行できる期間があるか、記録の書式が整っているか、ケアマネジャーとの窓口があるか。ここが違うと、同じ在宅でも負担がまったく変わります。
求人票からは読み取りにくいところなので、間に人が入る形で確認してもらうのも一つの方法かもしれません。
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ご家族への言葉づかい、訪問記録の書き方、カンファレンスでの振る舞い。このあたりは実務書を一冊読んでおくだけで立ち上がりが違います。報酬改定の影響を受ける内容なので、最新版かどうかを確認して選んでください。
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まずは次の訪問で、残薬の置き場所だけ見てみませんか。そこから話が広がることが多いです。

※制度・報酬の内容は改定により変更されます。届出や算定にあたっては、必ず最新の告示・通知および所管の行政窓口の案内をご確認ください。
※当ブログはAmazonアソシエイト・プログラムの参加者です。適格販売により収入を得ています。

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