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インフルエンザが増える時期の薬局窓口|必ず伝える3つと、繁忙期を回すコツ

12月から2月は、薬局の窓口がいちばん慌ただしくなる時期です。 インフルエンザの処方が一気に増え、 待合いが詰まり、説明の時間が削られます。 こういう時期こそ、説明の型を決めておくと楽になります。今回は、窓口で押さえる3つと、繁忙期の働き方について整理します。 窓口で押さえる3つ 抗インフルエンザ薬を渡すとき、短い時間で必ず伝えるのはこの3つです。 伝えること なぜ必要か ①最後まで飲みきる(吸入しきる) 熱が下がるとやめる方が多い ②熱が下がっても、まだうつる 出勤・登校の判断を間違えやすい ③異常行動に気をつける とくに小児・未成年。家族への説明が要る 3つ目は、 薬のせいかどうかにかかわらず、熱が出た時点で起きうる という伝え方をします。 「この薬を飲むと変なことをする」と受け取られると、 飲ませない家族が出ます。 そこを避けたいので、言い方は決めておいたほうがいいです。 異常行動の説明は、こう言う 短く言うなら、こうです。 「熱が高いとき、お子さんは急に走り出したり、窓を開けようとしたりすることがあります。薬を飲んでいても飲んでいなくても起きます。少なくとも2日間は、できるだけ一人にしないでください」 そのうえで、具体策を1つだけ添えます。 玄関と窓に鍵をかける できれば1階で寝かせる ベランダに面した部屋を避ける 「見ていてください」だけでは、何をすればいいか分かりません。 行動を1つ渡すと、守られます。 吸入薬は、その場で確認する 吸入タイプは、 渡して終わりにすると、かなりの確率で失敗しています。 息を吸えているか(熱と咳で吸えないことがあります) 何回に分けるのか いつやるのか(その場でやるのか、家でやるのか) 高齢の方と小児は、 吸入ができるかどうかで薬を選び直したほうがいい ことがあります。気づいたら疑義照会です。 「吸えていないかもしれません」と伝えるのは、 窓口にいる薬剤師にしかできない仕事 です。 繁忙期の窓口を回すコツ 現実的な話をします。待合いが20人いるときに、全員に5分かけることはできません。 説明を「全員に言うこと」と「その人だけに言うこと」に分ける 全員に言うことは 紙に書いて渡す (飲みきる・うつる期間・異常行動)...
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薬剤師の職務経歴書で落とされないために|書く順番と、調剤経験の書き方

書類で落とされる薬剤師は、意外と多いです。 経験も資格も足りているのに、会ってもらえない。 原因は、たいてい 書き方 にあります。 今回は、職務経歴書を書く順番と、調剤経験をどう書くかをまとめます。 まず、履歴書と職務経歴書は役割が違う 履歴書 …どこで何をしてきたかの事実。形式が決まっている 職務経歴書 …何ができるかを伝える書類。形式は自由 自由だからこそ、差が出ます。 そして、採用する側が最初に見るのは 職務経歴書のほう です。 書く順番 時系列で古い順に書く方が多いのですが、 逆のほうが伝わります。 職務要約 …3〜4行。何年目で、どんな経験があるか 職務経歴 … 新しい順 に書く 経験した業務 …処方箋枚数、科目、在宅、一包化など 資格 志望動機・自己PR いちばん上の 職務要約 で、ほぼ決まります。 読む側は何十通も見ています。最初の3行で興味を持たれなければ、下まで読まれません。 職務要約の書き方 入れるのはこの3つです。 薬剤師としての年数 どんな環境で働いてきたか …門前の科目、1日の処方箋枚数、薬剤師の人数 できること …在宅、一包化、管理薬剤師の経験、監査、新人指導 たとえば、こういう形です。 「薬剤師として8年、調剤薬局に勤務しています。内科・整形外科の門前で、1日の処方箋は80枚前後。薬剤師3名の店舗で、管理薬剤師を3年務めました。在宅訪問は月に20件ほど担当しています」 ここに 数字が入っているかどうか で、伝わり方がまったく違います。 調剤経験は「数字」で書く いちばんもったいないのが、こういう書き方です。 NG …「調剤業務全般」「服薬指導」「在宅業務」 OK …「1日の処方箋80枚前後。内科・整形外科が中心」 OK …「在宅訪問を月20件。居宅療養管理指導の算定経験あり」 OK …「一包化の対応が1日15件程度」 「調剤業務全般」は、薬剤師なら全員書けます。 それでは差が出ません。 数字を書くと、読む側は 自分の薬局で働く姿を想像できます。 ここが目的です。 書かなくていいこと 前職の不満 …志望動機に混ぜない 短期間で辞めた理由の言い訳 …聞かれてから答えればいい できないことの先回り …「在...

薬剤師の転職は何月に動くのがいい?求人が増える時期と、在職中に進める段取り

転職を考え始めたとき、最初に迷うのが時期だと思います。 いつ動けばいいのか。今からでは遅いのか。 結論から言うと、 求人が増える時期はあります。 ただ、それより大事なのは 在職中に段取りを組めているか です。 今回は、薬剤師の求人が動く時期と、働きながら進めるときの段取りをまとめます。 求人が増えるのは、年に2回 時期 何が起きるか 1〜3月 年度替わりに向けた募集。いちばん求人が多い 9〜11月 下期の体制づくり。年内の入職を見込んだ募集 4〜5月 落ち着く。新体制が始まったばかり 7〜8月 動きが鈍い。賞与をもらってから動く人の求人が出始める ただし、 調剤薬局は通年で欠員募集が出ます。 急な退職や産休の補充です。 これは時期と関係なく出てくるので、 いい求人が出たときに動ける状態にしておく ほうが、時期を待つより確実です。 賞与の前か、後か よく聞かれるところです。 多くの薬局は 6月と12月 が賞与です。支給日に在籍していることが条件になっていることが多いので、 もらってから辞める のが基本になります。 ただし、支給後すぐの退職を嫌う職場もあります。就業規則の退職申し出時期(1〜2か月前が多い)と合わせて逆算してください。 12月に賞与をもらって1〜3月に動く、という流れが、求人の多さとも噛み合います。 在職中に進めるときの段取り 辞めてから探すほうが時間は取れます。ただ、 収入が止まると焦って決めてしまう のが怖いところです。 在職中に進めるなら、順番はこうなります。 条件に優先順位をつける …年収・通勤時間・残業・在宅の有無・薬剤師の人数。 全部は満たせません 情報収集だけ先に始める …応募はまだしない 見学・面接の候補日を決めておく …有給を使える日、遅番明けの日 応募は複数をまとめて …1社ずつ進めると、比べられないまま決めることになります 内定が出てから退職を切り出す 3つ目でつまずく方が多いです。 先に「動ける日」を決めてしまう と、あとが進みます。 面接の日程が取れないとき 薬局はシフトが詰まっていて、平日の日中に抜けられないことがあります。 この場合、次の方法があります。 土曜の午後や、薬局の休診日に合わせてもらう …先方も薬剤師の事情...

ジェネリックに変えたくないと言われたら|説明の型と、変更できない処方の見分け方

「前のお薬のままでお願いします」 カウンターでそう言われて、言葉に詰まったことがあります。 安くなりますよ、と返したのですが、相手の表情が少しかたくなったのが分かりました。 後発医薬品(ジェネリック)の話は、値段から入ると失敗することが多いと思っています。 断る方が気にしているのは、たいてい値段ではないから です。 今回は、断られたときの聞き方と、そもそも変更できない処方の見分け方を整理します。 断る理由は、だいたい4つ 理由 そこで効く返し方 効きが違う気がする 有効成分は同じ。溶ける速さなどを調べたうえで承認されていると伝える 前に変えたら調子が悪かった 否定せず、いつ・どの薬で・どうなったかを聞く。添加物が合わない例はある 見た目が変わると混乱する 高齢の方に多い。 無理に変えない ほうがいい場面 先生が決めたものを変えたくない 処方箋で変更が認められていることを説明する 2つ目は本当にあることなので、 気のせいですよと言わない でください。 主成分が同じでも、添加物や製剤の作りは違います。実際に合わない方はいます。 3つ目も大事です。一包化していない方で、薬の形と色で飲み分けている高齢者は少なくありません。 変えることで飲み間違いが増えるなら、変えないほうが安全 です。 値段の話は、最後に小さく 先に値段を出すと、「安いものを勧められている」という受け取られ方をします。 順番を変えるだけで、だいぶ変わります。 何を心配されているかを聞く …「変えたくない理由、何かありますか」 その心配に答える …効き目のことなのか、見た目のことなのか 最後に、結果としてこうなります …「ちなみに、お支払いは月に◯◯円ほど変わります」 1つ目の聞き方がすべてだと思っています。 「変えますか」ではなく「何か気になることはありますか」。 これで出てくる情報の量がまるで違います。 そもそも変更できない処方がある 説得する前に、ここを確認してください。 変えられないものを勧めてしまうのがいちばん気まずい です。 処方箋に「変更不可」の指示があり、医師の署名がある …この薬は変更できません そもそも後発品が出ていない …新しい薬、特許が切れていない薬 剤形が変わってしまう …患者の同意が別に必要に...

お薬手帳を持ってきてもらえない|理由別の一言と、手帳から拾える3つ

「お薬手帳はお持ちですか」 「あ、忘れちゃった」 この会話を、一日に何回しているでしょうか。 シールをお渡しして、たぶん貼られないまま終わる。 私も以前は、半分あきらめていました。 手帳は持ってくる人と持ってこない人がいる、そういうものだと。 でも、聞き方を変えただけで持参率が上がった、という話は現場でよく聞きます。 今日は、その一言のところを整理してみます。 手帳が効くのは、たいてい他の薬が絡むとき お薬手帳の役割は、大きく3つだと思っています。 1つめ。重複と飲み合わせを見つけること。 同じ成分が別の名前で2か所から出ている。これは手帳がないと気づけません。 2つめ。副作用歴とアレルギー歴を次につなぐこと。 「前にこの薬で発疹が出た」という情報は、患者さんの記憶より手帳のほうが正確です。 3つめ。入院や災害のときに、そのまま使えること。 急に運ばれた先で、何を飲んでいるかが分かる。これがいちばん大きい場面です。 裏を返すと、1か所からしか薬が出ていない方には、ありがたみが伝わりません。 「面倒なだけの冊子」に見えているわけです。 持ってきてもらえない理由は、だいたい4つ 理由 実際に起きていること 効く一言 忘れる 保険証と別の場所にしまっている 「保険証と一緒の袋に入れておくと、忘れにくいですよ」 何冊もある 薬局ごとに作られ、意味をなしていない 「一冊にまとめましょうか。古いほうのシールをこちらに貼り直します」 必要性が分からない 説明を受けたことがない 「入院されたとき、これ一冊で先生に伝わります」 持っていても出さない 聞かれた意味が分からない 「前回から変わったところがないか見たいので、お預かりできますか」 「お持ちですか」だけだと、はい・いいえで終わります。 何のために見たいのかを添えると、鞄から出てきやすくなります。 手帳から拾えるのは、処方の中身だけではありません 受け取ったあと、私が見るところは3つです。 ほかの医療機関の記載。 整形外科と内科で似た薬が出ていないか。歯科の抗菌薬が重なっていないか。 市販薬とサプリメントの書き込み。 ここが空欄でも、書いていないだけのことが多いです。「風邪薬や胃薬を買われることはありますか」と一度聞いてみます。 日付の空白。 前回か...

残薬とポリファーマシーにどう向き合うか|聞き出し方と、医師に伝わる提案の型

「実は、まだ家にたくさんあって」 投薬の最後に、小さい声でそう言われたことがあります。 次の訪問で袋を見せてもらったら、同じ薬が3か月分ありました。 残薬とポリファーマシー(多すぎる薬)は、薬剤師がいちばん気づける立場にいるのに、いちばん言い出しにくい話だと思っています。 「余っています」と言うことは、暗に「処方が多い」と言うことになるから です。 私も最初は、疑義照会の電話を持つ手が重かったです。 今回は、残薬をどう見つけて、どう提案の形に変えるかをまとめます。 まず、残薬は「飲めていない理由」の入口 残っているという事実そのものより、なぜ残るかのほうが大事です。 残る理由 そこで効く対応 飲むタイミングがバラバラ 一包化、服薬カレンダー 錠数が多くて途中でやめる 剤形・規格の見直しを提案 飲み込みにくい 口腔内崩壊錠、粉、貼付剤への変更を相談 効いている実感がない 何のための薬か、もう一度説明する 副作用がこわい 不安の中身を聞き出す。自己中断の前に この表のどこに当てはまるかが分かると、医師への提案が具体的になります。 「残っています」だけでは、医師も動きようがありません。 残薬に気づくための聞き方 「ちゃんと飲めていますか」と聞くと、たいてい「はい」と返ってきます。 責められていると感じさせない聞き方に変えると、話が出てきます。 「飲み忘れることって、週に何回くらいありますか」 …あることを前提にする 「今、家に何日分くらい残っていそうですか」 …数で聞く 「持ってきていただければ、こちらで数えますよ」 …作業として引き受ける とくに3つ目です。 「怒られる場所」ではなく「片づけてもらえる場所」 になると、次から袋を持ってきてくださるようになります。 ポリファーマシーは「数」ではなく「害」で見る 何剤以上、という線を気にしがちですが、大事なのはそこではないと思っています。 問題は、 薬が増えたことで不利益が出ているかどうか です。 ふらつき、転倒が増えていないか 日中の眠気、ぼんやりが出ていないか 便秘、食欲低下が続いていないか 症状に対して薬が足され、その副作用にまた薬が足されていないか 最後の連鎖が、いちばん止めたいところです。 薬歴をさかのぼると、...

薬剤師の年収は今どのくらい?|統計の平均と、上がる要因・頭打ちになる要因

転職を考えはじめると、まず気になるのが年収です。ただ「薬剤師の平均年収」という数字だけを見ても、自分の場合にいくらになるのかは分かりません。職場の種類、地域、勤務時間、管理職かどうかで大きく動くからです。 ここでは、統計上の平均をひとつの基準として置いたうえで、何が年収を押し上げ、どこで頭打ちになるのかを整理します。 統計上の平均 厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査によると、薬剤師の平均年収はおよそ566万円です。内訳は月の給与(手当込み)がおよそ39万円、賞与がおよそ88万円。平均年齢は40歳ほど、平均勤続年数は9年弱です。 この数字は従業員10人以上の事業所を対象にしたものなので、小規模な薬局は含まれていません。また、平均値なので高いほうに引っ張られます。「自分がこの額をもらえていないから低い」という読み方はしないでください。 職場の種類で何が変わるか 職場 年収の傾向 理由 調剤薬局 中くらい。管理薬剤師で一段上がる 店舗数が多く求人も多い。役職と店舗の規模で差がつく ドラッグストア 高めになりやすい 営業時間が長く、店舗運営の役割が加わる 病院 初任給は低めになりやすい 教育体制と経験の幅が価値。当直や特殊業務の手当で変わる 製薬企業 幅が広い。上限は高い 職種によってまったく違う。成果や等級で動く 派遣 時給は高いが継続性は弱い 短期・急募の穴埋め需要に価格がつく よく言われる「病院は安い」は、初任給と若手のうちの話です。認定薬剤師や専門薬剤師を取り、チーム医療の役割を担うようになると差は縮まります。逆に、ドラッグストアの高さは労働時間と役割の対価という面があります。時給に直すと印象が変わることがあります。 年収を押し上げる要因 管理薬剤師になる 。手当がつきます。ただし責任と拘束時間も増えます 地方や人手不足のエリアで働く 。薬剤師が足りない地域では、基本給そのものが高く設定されます 在宅対応や無菌調剤に関われる 。できる人が限られる業務は評価されやすいところです 調剤以外の役割を持つ 。店舗管理、教育、採用、システム導入など 認定・専門の資格を取る 。手当が出る職場と出ない職場があるので、取る前に確認してください 頭打ちになりやすい場面 同じ店舗で同じ役割を続ける。定期昇給の幅は大きくありません ...